「連続発射工法を開発」~アクアピグ 佐野市で公開施工

中里建設㈱は、「アクアピグ連続発射洗浄工法」を開発、10月11日に佐野市内で公開施工を行いました。同市水道局職員様を含め、全国から約30人が参加する中、口径100mmのダクタイル鉄管に、最大で直径150mmのアクアピグを3個連続で投入。安全性を実証するとともに、より効率的な洗浄工法を確立しました。

発射装置側にピグ投入口を設けたバイパス管、投入口の下流側にピグ通過センサーを設置。センサーでピグが通過したことを確認してから、バルブ操作でルートを切り替えることでピグを連続投入します。この操作を繰り返すことで、3個以上の連続投入も可能。受取装置側にはピグ取出口を設けたバイパス管を設置しており、バルブ操作でルートを切り替えてピグを回収できますが、今回の現場では排水と一緒に回収しました。

公開施工を行ったのは、昭和58年布設の約480m、回収側の消火栓直下部は、錆こぶで60%以上閉塞していました。12~14tの給水車から管内に送水した上で、これまで同様に約1Mpaで圧送、3工程で6発のピグを投入しました。具体的には1回目は口径130mmを1発、2回目は口径140mmを40秒間隔で2発、3回目は150mmを1分間隔で3発のピグを投入。洗浄時間は事前の計算通り1工程当たり約8分間でした。

従来と同等の施工時間と水量におけるピグの連続投入を実現したことで、1工程で1発ずつピグを投入するのと比較して、洗浄力が向上するとともに、使用水量の削減と断水時間の短縮に伴い洗浄効率も向上。これにより山間部などの洗浄水の確保が困難な現場での適用、工事に伴う騒音の軽減などの効果も期待されるものと思います。

実際に、同社水理研究開発センターにおけるアクリル製実験管路内に繁殖させたバイオフィルム(藻)は、これまでのピグでは除去できませんでしたが、連側発射洗浄工法の採用により除去、優れた洗浄力を実証しています。

佐野市水道局工務課長は、アクアピグ工法の採用理由と今後の展開について、「アクアピグ工法を幹線で採用するのは今回で5回目。ブラシ洗浄では除去するのが困難な汚れや錆コブ、シールコート等の汚れが除去できるので採用している。消火栓の使用や送配水系統の変更等に伴う濁水を防止するため、予防策として管内洗浄を行っており、今後も年1回はアクアピグ工法で洗浄していきたい」と説明されています。

そして、連続発射洗浄工法については、「より確実に汚れが除去できるという安心感がある。実際に今回の現場では、連続で投入した方がきれいになったように感じた」と評価していただきました。

日本水道新聞記事

2016年11月24日:日本水道新聞